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高齢者のスマートフォン契約・課金トラブルに注意 ―「よく分からないまま契約」「気づかないうちに請求」を防ぐために―

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高齢者のスマートフォン契約・課金トラブルに注意

高齢者のスマートフォン契約・課金トラブルに注意

2026/05/13

近年、ガラケーからスマートフォンへ機種変更した高齢者が、契約内容やスマートフォンの操作を十分に理解しないまま、本人の把握していない料金を請求されるという相談が目立っています。たとえば、親から「携帯料金が急に高くなった」「使っていないはずのサービス代が引き落とされている」「何を契約したのか分からない」と相談された子どもが、請求書や契約書を確認したところ、不要なオプション、セキュリティサービス、保証サービス、動画・音楽配信サービス、クラウド容量追加、アプリ内課金などが含まれていた、というような事案です。

国民生活センターも、携帯電話の買い替え時に「断ったはずのオプションが付いていた」「月々の支払額を正しく認識できていない」といった相談が寄せられているとして注意喚起しています。特に高齢者の場合、スマートフォン本体の購入、通信契約、端末補償、サポートサービス、アプリ、決済設定などが一度に説明されるため、どこからどこまでが必要な契約なのか判断しにくくなります。

典型的な事案としては、次のようなものがあります。高齢の母親が「そろそろガラケーが使えなくなる」「スマートフォンにした方が便利」と勧められ、携帯電話ショップで機種変更をした。本人は「電話とメール、家族とのLINEができればよい」と考えていたが、契約後の請求を見ると、端末代の分割払いに加え、端末補償、遠隔操作サポート、セキュリティソフト、クラウドサービス、動画配信サービス、音楽配信サービスなどが付いていた。店頭では「最初の数か月は無料」「あとで外せます」と説明された記憶はあるものの、本人はいつ解約すればよいか分からず、そのまま有料期間に移行していた。子どもが明細を見て初めて、毎月数千円の不要な支払いが続いていたことに気づいた、というケースです。

別のケースでは、父親がスマートフォンに慣れておらず、画面に表示された広告や通知をよく分からないまま押してしまい、有料アプリやサブスクリプションに登録していたというものがあります。本人は「買い物をしたつもりはない」と言いますが、実際にはアプリ内で定期購入を開始していたり、電子書籍、ゲーム、動画、占い、健康情報、ニュースアプリなどの有料サービスに登録していたりする場合があります。スマートフォンでは、クレジットカード、キャリア決済、電子マネー、アプリストア決済などが連携しているため、本人が現金を出していなくても購入が成立します。この点が、従来の買い物と大きく異なるところです。

 

また、販売店での契約だけでなく、ショッピングモールや家電量販店、イベント会場などで行われる出張販売にも注意が必要です。その場の雰囲気で「今なら安い」「今日だけのキャンペーン」「家族全員で乗り換えると得」と勧められ、本人が十分に理解しないまま契約してしまうことがあります。総務省関係のガイドライン資料でも、高齢者への説明においては、専用資料の使用、親族等の同席、複数の販売員による説明など、理解を助ける対応が望ましい例として示されています。

この種のトラブルで問題になるのは、必ずしも「だまされた」と断定できる事案ばかりではないことです。販売員側は説明したつもりでも、本人が理解していなかったり、説明の中で「必要なもの」と「任意のもの」の区別が曖昧だったりすることがあります。高齢者本人も、店頭で何度も聞き返すことを遠慮したり、「皆さん付けています」「最初は必要です」と言われると断りにくかったりします。その結果、契約書には署名しているものの、実質的には本人の理解が追いついていない状態で契約が進んでしまうのです。

特に注意すべき費用は、第一に「月額オプション」です。端末補償、セキュリティ、遠隔サポート、留守番電話、迷惑電話対策、クラウド保存、動画・音楽配信などは、1つ1つは数百円から千円程度でも、複数重なると毎月の負担が大きくなります。第二に「無料期間後の自動課金」です。契約時は無料でも、1か月後、3か月後、半年後に有料へ切り替わるものがあります。第三に「端末代金の分割払い」です。月々の通信料と一緒に請求されるため、本人が「通信料が高い」と感じていても、実際には端末代や補償料が含まれていることがあります。第四に「アプリ内課金・サブスクリプション」です。スマートフォンの設定によっては、アプリ上の操作だけで購入や定期課金が成立します。

被害を防ぐためには、まず契約前の段階で「本人だけで契約に行かない」ことが重要です。特に、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者、料金プランの違いが分からない方、店頭で強く勧められると断りにくい方は、家族や信頼できる支援者が同席することが望ましいです。本人が一人で契約する場合でも、「その場で即決しない」「見積書と契約内容を持ち帰る」「家族に確認してから契約する」と決めておくとよいでしょう。

契約時には、次の点を必ず確認します。月々の総支払額はいくらか。端末代は一括か分割か。分割の場合、何回払いで、残債はいくらか。契約しているオプションは何か。無料期間はいつまでか。無料期間終了後はいくらか。不要なオプションを外すには、いつ、どこで、どのように手続きするのか。解約時に費用が発生するのか。契約書、重要事項説明書、料金明細、申込内容確認書は必ず受け取り、家族が確認できるように保管します。

契約後も、最初の数か月は家族が請求明細を一緒に確認することが大切です。紙の明細が有料化されている場合でも、高齢者本人がオンライン明細を確認できないなら、家族の支援を前提に確認方法を決めておく必要があります。請求額が当初の説明より高い、知らないサービス名がある、同じようなオプションが複数ある、無料のはずなのに料金が発生している、という場合は、早めに携帯会社や販売店に問い合わせます。国民生活センターは、不要なオプションを契約させられている場合は、すぐにショップに解約を申し出るよう呼びかけています。

スマートフォン本体の設定面でも対策ができます。iPhoneでは、「スクリーンタイム」から「コンテンツとプライバシーの制限」を設定し、アプリ内課金を許可しないようにすることができます。Apple公式サポートでも、設定アプリからスクリーンタイムを開き、「iTunesおよびApp Storeでの購入」からアプリ内課金を制限する方法が案内されています。 Androidの場合も、Google Playで購入承認や保護者による使用制限を設定できます。Google公式ヘルプでは、購入とダウンロードについて承認を必要とする設定や、Google Playの保護者による使用制限の方法が案内されています。

ただし、高齢者の場合、子どものスマートフォン管理とは異なり、本人の尊厳や自己決定を尊重する必要があります。家族が勝手にすべてを制限するのではなく、「知らないうちに請求されないようにするため」「必要な買い物まで止めるためではない」と説明し、本人の同意を得て設定することが望ましいです。特に、認知機能の低下が疑われる場合や、繰り返し不要な契約をしてしまう場合には、家族だけで抱え込まず、地域包括支援センター、消費生活センター、必要に応じて成年後見制度などの利用も検討します。

すでに高額な請求や不要な契約が判明した場合は、慌てずに次の順番で対応します。まず、契約書、申込書、重要事項説明書、請求明細、メール、SMS、アプリの購入履歴を集めます。次に、本人から「何を説明されたか」「何を希望していたか」「不要と伝えたものはあるか」「無料と言われたか」などを聞き取ります。そのうえで、販売店または携帯会社に、契約時の説明内容、オプション加入の経緯、解約可否、返金可否を確認します。説明が不十分だった可能性がある場合や、本人の理解力に照らして不適切な勧誘だった疑いがある場合は、消費生活センターに相談します。

携帯電話・スマートフォンなどの電気通信サービスには、一定の場合に「初期契約解除制度」や各社の「8日以内キャンセル」等が関係することがあります。契約書面の受領日などを起算点として短期間で対応が必要になるため、契約直後に「おかしい」と感じた場合は先延ばしにしないことが重要です。国民生活センターも、携帯電話契約に関する高齢者トラブルについて、至急、消費生活センターに相談するよう案内しています。

相談先として覚えておきたいのが、消費者ホットライン「188」です。局番なしの188に電話すると、最寄りの消費生活センター等につながります。本人が電話で説明することが難しい場合は、家族が同席して相談したり、本人の了承を得て代わりに経緯を整理したりするとよいでしょう。携帯電話会社の窓口に相談する場合も、単に「高いので安くしてください」と伝えるのではなく、「本人は電話とLINE程度しか使わない」「このオプションは理解していない」「無料期間後に有料になる説明を認識していなかった」「契約時に家族の同席がなかった」など、具体的に伝えることが重要です。

家族が日頃からできる見守りとしては、月1回の請求額確認、契約書類の保管場所の共有、スマートフォン画面に出る警告や広告をむやみに押さないよう伝えること、知らないSMSやメールのリンクを開かないこと、クレジットカードやキャリア決済の利用上限を設定することなどがあります。また、スマートフォン教室や携帯会社のサポート講座を利用し、本人が基本操作を学ぶことも有効です。当事業所においても基本的な操作等についてお伝えする事が可能ですのでご相談いただけますと幸いです。

一方で、家族の関わり方には注意も必要です。高齢の親に対して「なぜ分からないのか」「また余計なものを契約して」と責めると、本人は次から相談しにくくなります。スマートフォンや通信契約は、若い世代でも複雑に感じることがあります。まして、長年ガラケーを使ってきた高齢者にとって、アプリ、アカウント、パスワード、二段階認証、クラウド、サブスクリプション、キャリア決済といった仕組みを一度に理解するのは容易ではありません。大切なのは、本人を責めることではなく、「分かりにくい契約を、分かりやすく整理する」ことです。

高齢者のスマートフォン利用は、家族との連絡、災害時の情報収集、医療・行政手続き、防犯、見守りなどに役立つ一方で、契約や課金の仕組みを理解しないまま使うと、思わぬ負担につながります。スマートフォンは便利な道具ですが、同時に「財布」「契約書」「身分証」「通信手段」が一体化したものでもあります。だからこそ、機種変更のとき、初期設定のとき、最初の請求が届いたときの三段階で、家族が一緒に確認することが被害防止につながります。

「親がスマホにしたら料金が高くなった」「本人が知らない契約があるようだ」と感じたら、放置しないでください。契約書と請求明細を確認し、不要なオプションを解約し、購入制限や課金制限を設定し、必要に応じて188へ相談する。この一連の対応を早めに行うことで、被害の拡大を防ぐことができます。高齢者本人が安心してスマートフォンを使えるようにするためには、販売店任せにせず、家族や地域が継続的に見守ることが何より重要です。

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